未修・理系社会人がゼロから始める司法試験予備試験受験・中大通教奮闘記

貧乏勤務医が人生とキャリアにプラスを求め、ゼロから予備試験→司法試験を受験する過程を赤裸々に。2020/4月、中央大学法学部通信教育課程3年次編入。

公信の原則

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公信の原則とは?

(即時取得) 第百九十二条 取引行為によって、平穏に、かつ、公然と動産の占有を始めた者は、善意であり、かつ、過失がないときは、即時にその動産について行使する権利を取得する。

公信の原則とは「実際には存在しない権利が外形的には存在するようにみえる(公示されている)場合、その外形(公示)を信頼して取引した者を保護する」という原則のことである。

たとえ実質的権利が存在しない場合でも、その外形(公示)を信頼した者を保護して、当該権利が存在したのと同様の法律効果(=公信力)を与える。

逆に、真の権利者は過失がないのに権利を失うこととなる。

善意の第三者を保護しようとする制度で、公示の原則とともに物権法の基本的原則である。

公信の原則の例

Aは、自分で所有している本「甲』をBに預けた。Bはその本「甲』をAの許可なく勝手にCに売却し、Cはその場で本「甲」の引き渡しを受けた。

この場合、Cは、無権利者Bからの取得であるにもかかわらず、この本「甲』の所有権を取得することができる。

公信の原則は動産のみに適用される。

公信の原則は動産についてのみ適用される。

動産の取引において、相手方が権利を有しているかどうかを判断するには、占有という事実を確認するしかない。(動産譲渡登記が行われていない場合)

動産の取引は世の中で頻繁に行われており、取引の度に権利関係を確認していると手間がかかりすぎて取引が円滑に進まなくなること、また取引の安全性を担保するという観点から、民法ではこのような制度をとっている。

盗品や遺失物については即時取得に制限がある

第百九十三条 前条の場合において、占有物が盗品又は遺失物であるときは、被害者又は遺失者は、盗難又は遺失の時から二年間、占有者に対してその物の回復を請求することができる。

第百九十四条 占有者が、盗品又は遺失物を、競売若しくは公の市場において、又はその物と同種の物を販売する商人から、善意で買い受けたときは、被害者又は遺失者は、占有者が支払った代価を弁償しなければ、その物を回復することができない。

不動産については適用されない。

不動産の公示方法は登記であるが、登記には公信の原則が適用されないので、登記を信じて取引をしても、登記名義人が真実の権利者でなかった場合には、その権利を取得することができない。

不動産は、動産ほど頻繁に取引されるものではなく、また一般的に取引の際には登記を確認するのが当たり前となっている。

特許権についても適用されない。

特許権は、動産のように日常的に移転されるものではないため、公信の原則については不動産と同様に扱われている。